森博嗣

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森博嗣 作品 感想など(日記より抜粋)

2008年5月13日/虚空の逆マトリクス(森 博嗣)

虚空の逆マトリクス(森 博嗣)。読み終わりました。短編集ですが、けっこう長めなものがあります。S&Mシリーズ関係のものは今回ひとつですね。

以下、簡単に個別感想を。紹介じゃなくて感想ですからね。ネタバレありです。

トロイの木馬
どこまでがバーチャルで、どこからが現実なのか、難しいですね。サヲリが本当に母親だとすると、ほとんどバーチャルなのかなぁ。千宗は母親に送り込まれたトロイの木馬ってことなのか? すべて母親の意志だったのだろうか。
赤いドレスのメアリィ
何かもの悲しい話。しかし、殺人犯の妻を持つってのも嫌だろうけど、自分が罪をかぶって殺人犯になるって方がもっと大変だと思うんだけど…。本当に保身だったのだろうか。
不良探偵
これももの悲しい話。純粋な子を殺人に利用しちゃ駄目だよ…。たとえ自殺だったとしても。そこまで考えられないほど追いつめられていたのだろうか。結局のところ、理由ってなんだったんだろうな。本当にサトルが原因なのかなぁ。
話好きのタクシードライバー
3回目かい! しょっちゅうタクシーに乗る人だったら、同じ運転手に当たることもめずらしくないんでしょうかね。しかし、あなたは 3回目だからうんざりでしょうけど、私はまだ聞いてないんですが…! その後のストーリーがちょっと気になってますよ。
ゲームの国
前の「ゲームの国」とは、登場人物が違いますね。今度の探偵はリリおばさん。それにしても回文のすごさにはびびりました。すごすぎて確かめる気にもなれない(笑)。前回のゲームの国にも微妙にクウガネタが出てきてましたが、今回ははっきりとクウガが出てきてました。森さん、クウガ好きなんですかね? あと、土井さんが何気に森博嗣ファンらしいことがツボでした。しかも「やっぱりマイナなんだな」って(笑)。
探偵の孤影
海外の探偵モノの匂いがするお話。名前のせいもあるのでしょうか。最後のオチとかは、短編の王道っぽい感じです。
いつ入れ替わった?
犀川と萌絵の話。大部分は近藤刑事が遭遇した不思議な事件の話なんですが。そっちも面白いんですけど、やっぱり犀川と萌絵ですよ。睦子が指輪の話をしていたときから、「きっとあの指輪を渡したときの話なんだ!」と確信していましたが、実際その場面になるとやっぱりニマニマしてしまいます(笑)。犀川かわいいよもうっ! 最初のちょっと緊張しているあたりから可愛かったですけどね!

2008年4月24日/今夜はパラシュート博物館へ(森 博嗣)

今夜はパラシュート博物館へ(森 博嗣)。読み終わりました。短編集です。S&Mシリーズ関係が 2つ、Vシリーズ関係が 1つあります。

解説は羽海野チカさんだったのですが、これがかなり良かったです。

以下、簡単に個別感想を。紹介じゃなくて感想ですからね。ネタバレありです。

どちらかが魔女
ザ・大御坊エピソード(笑)。かなり意外な雰囲気で登場ですよ。でも、この話は、かなり最初の方からわかってしまいました。木原さんの旧姓しか紹介しなかったところでピンときましたよ。しかし、木原さんの話だけならまだしも、大御坊の話まで聞いたら、普通わかっちゃうとおもうんだけどなぁ。萌絵がなぜわからないのかが不思議なくらいです。それにしても、今回も諏訪野はやってくれますね(笑)。本当にお茶目な人です。
双頭の鷲の旗の下に
国枝先生が…!(笑)。びっくりしたなぁ。どんな人なのか気になっていたのですけど、そうかあの人かー。しかし、国枝先生はすっかり男と思われていたみたいですね。スタートレックのデータみたいと書かれていて、そういう雰囲気なのかと妙に納得。
ぶるぶる人形にうってつけの夜
練無と紫子が登場。ってか、西之園って…睦子? これに仰け反ってしまったわ。N大だったんですね。意外と悪戯好きだったんだ。どうでもいいですが「南Z大」って、知らなきゃ非常に読みづらいぞ(笑)。あと、フランソワって自分で使おうと思っていた名前(人名じゃないけど)だったので、これを読んでしまって、かぶったよ…しまったなぁ…と思ってしまいました。このまま使っちゃいますけどね。ここからとったわけじゃないのよと言っておきます。
ゲームの国
磯莉とメテのコンビがいい感じです。けっこう好きだ。話はゲームっぽくて現実味のないあたりが面白かったけれど、はぐらかされたまま終わってしまいました(笑)。アナグラムはどれもさっぱりわかりませんでした…。
私の崖はこの夏のアウトライン
毎年、こうやってここに来ているのか…。一生背負っていくんですね。
卒業文集
最後の最後に「そういうことか」とわかることがあって、そう思って読み返してみると「なるほどなぁ」という感じです。それにしても、満智子先生みたいにこれだけみんなに慕われている先生ってなかなかいないよなぁ。こんな先生が担任なんてすごくうらやましい。本人はまったく出てこないのに、人となりがよく伝わってきます。
恋之坂ナイトグライド
なんだろう、何がどうなっているんだろう?? 本当に飛べるの?? いまいちよくわからなかったです…。
素敵な模型屋さん
模型のことは全然わからないのですが、子供の頃の一生懸命な気持ちを思い出してしまいました。欲しいものが手に入れられなくて悔しく思ったり、買った雑誌の広告まで読みふけって妄想してたり、大人になったら買おうと心に決めたりね。そういう一生懸命さって、忘れてしまってました。

2008年4月5日/地球儀のスライス(森 博嗣)

地球儀のスライス(森 博嗣)。読み終わりました。全体としてはまどろみ消去の方が好きかなぁ。もちろんこちらも面白かったのですけど! S&Mシリーズ関連がふたつ、Vシリーズ関連がひとつありました。あと、解説は冨樫義博さんが書かれてました。あんまり解説は読まないんですが、今回はしっかり読んじゃいましたよ。

以下、簡単に個別感想を。紹介じゃなくて感想ですからね。ネタバレありです。

小鳥の恩返し
途中で「ファンタジーなのかこれは…?」と騙されそうになってました(笑)。主人公の父親が殺された場面の説明を読んだときは、素直に「犯人、綾子じゃないの?」と思ったんですが、読んでいるうちにすっかり忘れてました…。
片方のピアス
結局どっちなんだ…! 寝ればわかる?(爆)
素敵な日記
なんでみんなして日記をつけてるんだろう。口述記録って余計に恥ずかしいけどなぁ。何か不思議な魅力(魔力?)みたいなものがあったのでしょうか。
僕に似た人
淡々と新鮮な視点で見せてくれますね。
石塔の屋根飾り
諏訪野ーーー!!! これに尽きると思う(笑)。お茶目すぎだぜ! 私もいろいろ考えてみた(萌絵が言っていたのに近かった)けれど、どれも外れてましたね。
マン島の蒸気鉄道
これもやっぱり諏訪野(笑)。でも、トリックというか、写真逆焼き付けってのは最初にピンときました。そのいきさつまでは推理できませんでしたけど。それより大御坊のクイズの方がわかりませんでした。問題からしてさっぱり理解していないです(笑)。
有限要素魔法
何がなんだかさっぱりわからなかった…読解力がなくてすみません…。
河童
これも結局どういうことなのかがよくわからなかったです。でも、なんだかちょっと怖かったです。亜依子が…。
気さくなお人形、19歳
練無と纐纈氏の話です。練無の一人称で話が進んでいきます。あいかわらずの愉快な子です。表現とか楽しいです。でも、お見舞いのあたりはちょっとせつないですね。練無が怒るところがさ。それより何より、高級クラブでバイトしたことあるって…男として? 女として? どっち?? さらりと書いてあったけど、気になって仕方なかった(笑)。
僕は秋子に借りがある
ああ、そうきたか、そこでつながっていたか! 考えもしなかった…。秋子はどういうつもりで会いに来たのだろうか、何を考えていたのだろうか。いろいろ考えてしまう。

2008年3月15日/まどろみ消去(森 博嗣)

まどろみ消去(森 博嗣)。読み終わりました! 良かったです。面白かった。あ、萌絵が出てくるものも二つありましたよ。

以下、簡単に個別感想を。紹介じゃなくて感想ですからね。ネタバレありです。

虚空の黙祷者
淡々と怖い感じ。二時間サスペンスに出来そうだなぁと思ってしまいました。
純白の女
だいたい予想どおりだったけれど、14歳とは思わなかった。うーん、これは妄想癖(っていうか病気)があるってことでいいのだろうか?
彼女の迷宮
これ、かなりお気に入りです。京野サキの話が本気で読みたいと思ってしまいました(笑)。しかし、このはちゃめちゃな展開で、いったいどうするのかとドキドキワクワクしてました。そして、最後はゾクリとしました…!
真夜中の悲鳴
最後の一行でのけぞった(笑)。そうくるとは思わなかったよ。ご結婚おめでとうございます! ってことでいいんですよね?
やさしい恋人へ僕から
うん、これは察しはついてました。はっきりと書かないときって騙そうとしているときなんだよな。素直に騙された方が楽しめたかもしれませんが…。
ミステリィ対戦の前夜
萌絵登場! ってだけで嬉しかったのですが、なんかちょっぴり性格が違うような…短編だからか? と思っていたら、そういうことだったのですね(笑)。ああでもあのモエもけっこう好きですよ。
誰もいなくなった
これも萌絵登場の話。トリックは半分くらいわかった。ちゃんと燃えるのか? 重くないのか? が心配だったんだけど、燃えやすくて軽い材質で作ったわけだ。しかし、それでもけっこう燃え残りはありそうだし、においがしそうな気がしますけど。まあ、それはともかく、見どころは最後の犀川先生の訓戒のところだと思う。萌絵の反応も含めて(笑)。
何をするためにきたのか
途中でビックリしました。ああ、RPGだ! そういうことだったのか! お約束の数々に笑えてくる。レベルE(冨樫義博)でもあったけど、リアルに RPGをやると不思議なことになりますよね。で、最後にどんでん返しがあるのかと思ったけど、投げっぱなしだった(笑)。
悩める刑事
キヨノが警察なんだろうということはわかったけど、モリオが脚本家だったとはわからなかったなぁ。ふたりとも警察なんだと思ってたよ。
心の法則
よくわからなかった。なんとなく怖げな感じではあるんだけれど…。結局どういうことなんだ?
キシマ先生の静かな生活
淡々とひとりの人生を見せられたような感じ。良いこともあって、良くないこともあって。でも、何が起きたのかは想像するしかなくて。うまく言い表せないけれど、時間は過ぎていくんだなぁと感じてしまった。なんか切ない。

2008年3月1日/四季(森 博嗣)

四季シリーズを読み終わりました(2回目)。1回目は S&Mシリーズを読んだあと、今回は Vシリーズを読んだあとです。そうとう忘れてました。四季の内容をちゃんと覚えていれば、Vシリーズを読んだときに「あ、あれはこれとリンクしてたんだ!」と思えたんでしょうけど…。いや、覚えている部分も多少はあったんですけどね…。まあ、忘れてた分、素直に楽しめたので良かったことにしよう。おかげで四季もまるっと 2回楽しめたし。物忘れの激しさに乾杯★(もうヤケ)。

四季と Vシリーズと合わせて考えると、やっぱり犀川林っぽい気がするなぁ(名前の話)。それでいいんだろうか(まだ微妙に疑っている)。あと、森川という名前が妙に気にかかってるんですが、須磨と素直って何か関係が? 思いっきりエンジェル・マヌーヴァは出てきてましたね。記憶になかった…。萌絵が保呂草のことを泥棒呼ばわりしていたのは覚えていたのですが、そうか「捩れ屋敷の利鈍」の話だったんだな。

ところで、これってまだ他のシリーズとリンクしていたりするんだろうか。特に冬は、思わせぶりに出てきた奴らが中途半端なまま放置されてるので、もしかしたらと思ったのです。

2008年1月31日/赤緑黒白 - Red Green Black and White(森博嗣)

赤緑黒白 - Red Green Black and White(森博嗣)。読み終わりました。これで Vシリーズ完結です。他へ繋がるいろいろなものを散りばめながらも、いちおう終わりという形はとれていました。それにしても、気になることが多すぎだ!

S&Mシリーズも好きだけど、Vシリーズも同じくらい好きです。キャラクター的には Vシリーズの方が厚みがあって面白いかな。S&Mシリーズしか読んでない人には、こちらもぜひ読んでほしいです。

以下、ネタバレありです。

今回「動機なき殺人」であることは、早い段階で示唆されていたので、その辺については悩まなくてすみました。秋野のパターンだなと思ったら、その秋野と関わりがあってビックリでしたよ。秋野と紅子が対面するシーンが面白かったです。さすが秋野というか、言葉だけで紅子を動揺させることができるんですよね。紅子の心に簡単に立ち入ることができるのは、頭がいいから? 同類だから?

紅子が林と離婚した理由がちょっとだけ語られてて、なんかわかるような気がすると思ってしまいました。大切なものをあえて切り離すって、自分もそういうことあったしなぁ。どうしようもないくらい追い詰められるとそうなるんですよ。紅子がそこまでの心境になっていたとは思わなかったので、けっこう意外でした。

紅子と林が初めて会ったときのことがちらっと書かれていて、なんかすごい萌えました(笑)。このふたりの馴れ初めとかいろいろと読んでみたいなぁ。

室生が主犯なのではないかということは、わりと早くに気がつきました。帆山美澪が愛想もない室生をずっと秘書にしているというのも気になっていたし、室生が自分で「引き立て役」なんて言っていたあたりも引っかかるものがありましたし。室生が帆山美澪の小説を書いているのかも? とも思いましたよ。

確信したのは紅子との対決のとき。帆山美澪のあの動揺っぷり。どう考えてもそんな殺人が出来るタイプじゃないと。一方の室生は冷静で、やっぱり主犯はこっちなのだろうと。

紅子がそこまで追い詰めたのは良かったけど、帰してはいけなかったんじゃないかなぁ。もし、帆山美澪が犯人だとしたら自殺する可能性もあるし、室生が主犯だったら帆山美澪を始末する可能性もあるし。めちゃくちゃ嫌な予感がしてたら、そのとおりになってビックリでしたよ。まさか、拳銃で襲い掛かってくるとは思いませんでしたが。

立松が撃たれたのには驚きました。し、死なないよね?! そんなキャラじゃないよね?! とビクビクしながら読み進めてましたよ。結局、どうなったのかわかりませんでしたが、たぶん大丈夫だったんですよね? 七夏とともに、無事に復帰してくれることを願ってます。そうそう、七夏も頑張ってましたなぁ。刑事ってのも命懸けの大変な仕事ですよね。

四季登場! 殺人をけしかけるようなことくらいはしたのかと思ってたけど、実際どこまで関わったのかなぁ。単に室生に会っただけ? あの4色に四季を表す意味があったとは驚きでした。

練無と紫子は、今後どうにかなりそうな感じをほのめかしてましたが、どうにかなるんですかね? 最初にそれを読まされたせいか、今回はよりいっそう仲良しに拍車がかかっているように見えました。紫子は、普通に練無の部屋に入り浸ってゴロゴロしてるし。いや、ほとんど女友達という感覚ではありますが。

保呂草退場で Vシリーズは締め。この後、紅子とは会ってるんだろうけど、練無や紫子と会うことはあったのかなぁ。練無はともかく、紫子とは会わない方がいいかもしれないと思ってみたり。紫子のためにね。

林の祝儀袋の謎。何の祝儀だろう。そして、名前は…。多分、縦に「犀川 林」と書いてあったんですよね。うーんと…今までずっと思ってて、何度か感想に書こうとして、恥ずかしくて結局ばっさり削除したコトがあるんですが…。「林」ってファーストネームなんじゃないかと。「警部」と呼ばれても「林警部」とは一度も呼ばれてないんですよね。七夏以外の警察関係者には「林」とは呼ばれてないんですよね(多分)。でもいくらなんでも「林」なんてファーストネームはないんじゃないかと、自分でその考えを否定しようとしてたんですが…。この祝儀袋で、もしかして、なんて考えがまた大きくなってしまいました。思いきり頓珍漢なことかもしれないので、書いててめちゃくちゃ恥ずかしいのですが(笑)。まあいいや! 私のバカ は今に始まったことじゃないし(爆)。

なんか、もう一度、四季シリーズを読み返したくなりました。曖昧にしか思い出せないけど、いろいろリンクしてた気がします。保呂草、紅子、各務亜樹良のあたりは、わりとはっきり覚えてるんですが、七夏や林も出てきてたし、あれとかそれとかも(間違ってるかもしれないので伏せておく)出てきてた気がするので。

2008年1月15日/朽ちる散る落ちる - Rot off and Drop away(森博嗣)

朽ちる散る落ちる - Rot off and Drop away(森博嗣)。読み終わりました。これは「六人の超音波科学者」の続きとなっています。いつもの面々ももちろん登場。あの研究所の地下の秘密が明らかになります。というわけで、「六人の〜」を読んでからこちらを読むべきですね。

それ以外にも、他の本で語られているのではないかな…? と思えるものがあります。練無と纐纈氏の関係もそうだし(短編で書かれているらしいとか)、テロリストの話もこれで終わりなのか? という疑問もあります。そういうわけで、どうにもすっきりしないです。

個人的には、練無と森川のデート(笑)がツボでした。心の中で森川にツッコミを入れる練無が最高だ! 森川も淡白すぎて面白いよ。

紅子と七夏は相変わらずバトルってます。私、好きなのは紅子なのですが、頭の構造は七夏に近いので、七夏の気持ちや考え方に同調してしまうんですよね。というわけで、どちらも応援してしまう。というか、根本的な問題として、林がそんなにいいのか?!(笑)。何をやっても憎めない感じではありますけどもねぇ。まあ、理屈ではないんだと思いますが。

以下、ネタバレありです。

なんか、いきなり宇宙とか何とかが出てきたときは、どうしようかと思いました(笑)。いったいどこへ向かってるんだこのシリーズは、と少し不安になってましたよ。まあ、それほど大きなことにならなくて安心しました。

いや、テロリストって、十分、穏やかじゃないんですけどね。しかし、何のテロだったのかはよくわかりませんでした。書いてありましたっけ? なんだかこれだけで終わるとは思えないんですよねぇ。3歳の子供がいるということも、何となく気にかかるし。何より、あの各務亜樹良も絡んでいることだし。

練無と纐纈氏の関係は、紫子も知っていたようですね。何か一緒に会ったことがあるみたいな口調なのが気になりました。ここらへん、短編を読めば明らかになるのかなぁ。

纐纈苑子(藤井苑子)は、練無の母親ではなかったですね。「六人の〜」の感想で書いちゃったけど、書いたあとでそんな陳腐な設定はないよなと自分でも思ってました(笑)。二時間ドラマだとそういう展開になりがちなんで、二時間ドラマをよく見る自分はついそんなふうに思ってしまったわけですが、森博嗣ではありえないだろうよと自分にツッコミを入れてしまった次第。

根来は本当に強かった! 初めて実力の片鱗を見ましたよ。さすがお師匠さんです。なのに、紅子の前では大人しく忠実な執事。暴言を吐かれても反論することもない。何か不思議なんだよなぁ。二重人格に見えてくる(笑)。根来は何を思って紅子に仕えているのだろうか。やっぱり瀬在丸家への恩義? 紅子個人のことはどう思っているのだろうか。本人にいろいろ訊いてみたいところです。

2007年12月26日/捩れ屋敷の利鈍 - The Riddle in Torsional Nest(森博嗣)

捩れ屋敷の利鈍 - The Riddle in Torsional Nest(森博嗣)。読み終わりました。今回の話はS&Mシリーズとリンクしています。といっても、Vシリーズの方はほとんど保呂草だけ、S&Mシリーズの方はほとんど萌絵だけしか出てこないんですが(国枝先生はそこそこ出てきます)。萌絵は大学院生ですね。現在、順番にVシリーズを読んでいってるのですが、本屋でこの本を買おうと手に取って裏表紙を読んだとき、間違えたかと思って、いったん本棚に戻してしまいましたよ。いや、いきなりそうなるとは思わなかったので。短編集か何かかと思ってしまいました…。だって、本当にいきなりすぎですもん。ビックリでしたよ。

で、舞台は捩れ屋敷と呼ばれるでっかいメビウスの輪な建物とその近辺のログハウス。そして、あのエンジェル・マヌーヴァがまたまた出てきます。それらを所有している方に、保呂草と萌絵が招待されてやってきたところで事件が起こるというわけで。このふたりの会話や駆け引きが面白いです。それが最大の見どころだと思ってます! 殺人事件はどうでもいいというか(笑)。

以下、ネタバレありです。

今回、捩れ屋敷とかログハウスとかの構造やからくりが、事件に大きくかかわってきてるわけですが、私にはさっぱり理解できませんでした(爆)。もう途中で考えるのをやめて、このへんは流し読みしてたくらいです…。どうもね、こういうのは苦手なんですよ。イメージできないんですよ。空間認識力が皆無に近いせいかもしれません。本当にひどいんです。知能テストでも、それ系の問題だけ極端に出来なくなるんです。だから地図も読めないし、絵も描けない(爆)。

そんなわけで、殺人事件の方は正直、よくわからなかったのですが、保呂草と萌絵の会話や駆け引きはとても面白かったです! 萌絵、やるなぁ! と思ったけど、最終的には保呂草の方が一歩上かな。保呂草に目的を果たされちゃいましたしね。

あと、保呂草が萌絵の仕草に紅子と似たものを感じてたのが面白かったです。ちょっと似てるとは思ってたけど、やっぱり似てるんだなぁ。性格的にはだいぶ違うんですが、仕草や会話の切り返しなんかが、ときどき似てると思ってしまうんですよ。

ちょっとした疑問なんですが、保呂草はどうして秋野の名前を使ったんだろう? 他にいくらでも安全な名前があるだろうに…。

紅子が萌絵のことをなんと説明したのかが気になります。だいたいのところは想像つくけど、具体的にどういう言葉でどう説明したのかというのがね。

2007年12月18日/六人の超音波科学者 - Six Supersonic Scientists(森博嗣)

六人の超音波科学者 - Six Supersonic Scientists(森博嗣)。読み終わりました。今回は山奥の研究所でのお話。なぜか紅子と練無が招待され、なぜか保呂草と紫子も一緒に巻き込まれることになります。今回は久々に保呂草のお仕事抜きの話だったので、安心して見られました(安心してどうする)。ああでも泥棒テクはちょっと披露してます(笑)。

練無はあいかわらず可愛いです。外見もまんま女の子みたいですね。他の人は練無を完全に女だと思い込んでいるようですし。まあ、衣装が衣装だしね(笑)。それでも少しも疑われないってことは、不自然なく似合ってるんだろうな。またテレビ局の人に目をつけられてたし。

紅子と七夏の関係もやっぱり面白い。何気にこのふたりの対決が楽しみなんですよ。大人気ないところが可愛いなぁ。ふたりともね。しかし、紅子ってば七夏を思いっきり馬鹿にしてません? 「思いつくのに慎重な祖父江さん」とか。頭わるいっていいたいのかと(笑)。七夏、怒ってもいいと思うぞ。でも、怒ったら負けだとも思う。

立松が愛しいです。何この天然ヘタレ! すごい萌える! 可愛いったらないです。前々からけっこう好きだったけど、今回の話でますます好きになりました。うっかり七夏のことで変な妄想してみたり、その余韻で「七夏さん」なんて呼んじゃったり。へとへとになりながらようやく辿り着き、喜び勇んで入ってみれば、その七夏に「なんでこいつなの」とか「ちくしょう」とかボロクソ言われているし(笑)。七夏、ちょっとひどいなぁと思ったけど、実際、何の役にも立ってないのがすごい(笑)。なにしに来たんだオマエ…。死体見て気分悪くなって、あとは寝てるだけ。捜査一課の刑事が死体を見て気分悪くなるんてなぁ…新人じゃあるまいし…。

七夏と林の関係って、警察の中では秘密なんですよね。なんかときどき忘れそうになります。保呂草たちはみんな知ってるからさ。七夏は子供まで生んでるのに、バレないものなんでしょうか。認知されてないのかな。七夏がずっと前に離婚してるとかの話は、立松が勝手に思い込んでるだけ?

以下、ネタバレありです。

今回の死体についてのトリックはだいたいわかったんですよね。土井が元々いなかったってのも。だいたいマスクをしてて声も出せないというのでは、本人かどうかなんてわからないし。こういう場合はたいてい誰かがなりすましているものだというお約束(爆)。

しかし、ファラディ博士が同意してたというのはわかりませんでした。そして、全員共謀ってのも。博士たちの中の誰かだろうとは思ってましたが…。最後の方で博士たちが抜け出して会議してたあたりで、ようやく「もしかして…」と思いましたですよ。気づくの遅すぎ、自分(汗)。タイトルからすれば、そう考えるのが自然なんだよなぁ。ちょっとくやしい。

練無が襲われたところはハラハラしました! 死んだかと思ったよ! 凄惨な光景を見たような反応してたし(見たのは土井っていうかファラディの死体だったんだけど)、どうなってるのかと心配しました。まさか、死ぬわけないよなと思いつつ、絶対にないとは言い切れないわけで、もうね、寿命が5分くらい縮まった(5分かい)。

生還した練無のあっけらかんとした様子は、実に彼らしいです。そういうところが不思議で可愛いんだな。普通だったら怖くて震えてると思う。ごはんばくばく食べるどころじゃないと思う。ふらふら出歩いたり出来ないと思う。でも、ここまで危機意識がないのも問題だと思う(笑)。怯えないってのはいいとしても、簡単に出歩くなって! まだ犯人がどこにいるかわからない状態なんだしさ!

しかし、練無がこのパーティに招待されたのはなぜだったんだろう。この殺人事件に何か関係があるのかと思ったのに、結局そうではなかったみたいで。練無が襲われたときは、練無の何かが必要で、それで呼ばれたんじゃないかと思ったんだけどなぁ。纐纈氏との関係も気になるところ。思わせぶりなだけで、具体的な話は何も出なかったんですよね。もしかして、纐纈苑子って練無の母親? なんて思ったけど…。いつか、このあたりに絡んだ話が書かれるのかな?

2007年12月4日/恋恋蓮歩の演習 - A Sea of Deceits(森博嗣)

恋恋蓮歩の演習 - A Sea of Deceits(森博嗣)。読み終わりました。見事にしてやられました!(笑)。

今回も関根朔太がらみの話。正確にいえば、関根朔太の絵か。そして、やはり各務亜樹良もつきまとってきます。保呂草さん、本当にだんだんヤバくなってきてますよ…。

以下、ネタバレありです。

この、色男め!!(笑)。あーもうすっかり騙されましたよ。エピローグを読むまで思いもしなかったさ。エピローグの途中で、ようやく「もしかして…」と思ったくらいです。何かはあると思ってたけど、まさか保呂草さんだったとはねぇ。でも、言われてみれば確かに…。何でそう思わなかったんだろうと思うくらいで。わかった人は多いかもしれませんね。

羽村さんという人物は初めからいなかった、という方向になったとき、どうにも腑に落ちなくて、悶々としてたんですよね。じゃあ、ずっと延々と妄想コイバナ(笑)を読まされてたってことなのか? と思って…。あんなに 丁寧に詳細に書いておきながら、全部妄想でしたなんていったら、本当におさまりがつきませんって。どこかにいるんじゃないかと思ってたけど、まさか保呂草さんだったとはねぇ(二回目)。

梨枝さんが離婚して、子供もいたというのも驚きでした。明寛と昔つきあっていて、そのときに何かあった…というくらいかと思ってたんだけど。でも、わかったとき妙に納得してしまいましたよ。紅子との会話がようやくしっくりきました。紫子との会話も。

で、本物の羽村さんはどうなってるんでしょうか。ただ、保呂草がそういう人物を利用しただけなんだとは思うけど、ちょっと気になります。

紫子は…本当に不憫です。不憫なのに、それが紫子らしくて可愛いなぁと思えてしまう。プロポーズだのなんだの、けっこう妄想が爆走してて、「ない、それ絶対ないから!!」とか激しくツッコミ入れつつ読んでました。しかし、この本を書いたのが保呂草だと思うと(そういう設定)、なんか笑えるんですけど! 保呂草に首ったけな感じに書かれてますが、実際 は「そんなことまで思うてへんよ!」かもしれないですね。もっと妄想してる可能性もありますが(笑)。

私も紅子同様、保呂草さんはやめなさい派なのですが、今回ばかりはほんのちょっとだけ夢を見させてあげたかったなぁと思ってしまいました。何もないにしろ、せめて普通にふたりで船旅くらいは。

紅子の潜り込み作戦はすごかった。けど、そのあとの片平に対する態度はもっとすごかった! めちゃくちゃお嬢様!! こういうのを見てると、本当に瀬在丸家というのはすごかったんだなぁと実感します。没落した今でも忠実な僕という感じですから。こういう人があちこちにいるのか…。

関根朔太の自画像は、何か仕掛けがあるのかと思ってました。いつかのモナリザみたいに、一見してはわからないけれど、ある見方をするとわかる、みたいな。普通の絵画には見えないので、探せなかったのかと。でも、普通に絵画だったんですね。でも、描かれた内容に仕掛けがあったと。“関根朔太”に届けるところは良いですねぇ。保呂草は金のために泥棒やってるわけではないことがよくわかりました。趣味みたいなものか。

おみやげのレリーフを買ったとき、すでにそういう使い道を想定していたのですかね? 大きさってあの時点でわかってたのかなぁ。亜樹良に聞いていたのだろうか。あ、亜樹良がボナパルトの妻ってことはないよなぁ? でも、ビジネス上の取引で妻になってるということだったらありえるかもしれないけど。何気に白人黒人のボディガードコンビが好きです。亜樹良のこと、怖がってます(笑)。

七夏と立松のコンビはけっこう好きです。恋愛に発展することが絶対なさそうなところがいいのかも(笑)。

2007年11月21日/魔剣天翔 - Cockpit on Knife Edge(森博嗣)

魔剣天翔 - Cockpit on Knife Edge(森博嗣)。読み終わりました。今回は、練無の少林寺拳法の先輩で、現在フライト・ショーのパイロットの女性が登場。紫子さん、微妙にやきもち? な展開もあったりして。そして、各務亜樹良も登場です。保呂草さん、お仕事の方が次第にヤバくなってきている感じだなぁ。

紅子のへっ君への飛行機解説がすごかったです。とても母と小学生の子供の会話とは思えない(笑)。紅子は容赦なく専門的だし、それについていってるへっ君もまたすごい。物理は紅子の専門領域だから、その関係で詳しいのかと思ったら、昔、好きだった人が教えてくれたというオチだった。

好きな人の話だったら覚えている、みたいなことを紅子は言っていたけど、世の中にはそうでもない人の方が多そうです。好きな人のことばっかり考えてて、話は聞いてないとか(笑)。

今回、面白いのは面白かったんですが、よくわからない部分がけっこう残りました。もやもやしています…。うーん、読解力が足りないのかなぁ。何か大切なことを忘れてたり、壮大な勘違いをしてそうな…。

ここからはネタバレありです。

練無と杏奈の大学生協での会話はどういうことだったのか、いまだによくわかっていません。練無は何を言ったのだろう。もういちど少林寺拳法をやろうという話かと思ったけど、微妙に違うような気もして。当てはめようとしても、うまく当てはまらないんだよなぁ。

最後の「見せて」のあたりもちょっともやもやしていて。最初の会話とつながっているのかなとも思ったんですが、どうつながるのか、考えてもわかりませんでした…。

練無が杏奈に憧れた理由は、いじめられてたところを少林寺拳法で助けてくれたから、ってことでいいんですよね? それで少林寺を始めたから、練無にとって杏奈は人生に影響を与えた特別な人ってことで。

最初は「関根さん」と言ってたのに、最後は「杏奈さん」になってたのも気になるところです。

誰も飛行機で去る杏奈を止められなかったのかな。警察は何をやってたんだと思ってしまいました。飛行機が置いてあるところとか、張ってなかったんですかね。杏奈が犯人(少なくとも重要参考人)であることはわかってたはずなのに。

警察は関根朔太のことは突き止めたのかな。もし突き止めたとしたら、どうするつもりだろう。今回の事件に直接関係はなくても、一応、犯罪だしなぁ。死んだ人を死んでないことにしているというのがね。そうなったら関根朔太も終わりになっちゃうけど、この話にはそういうのは書かれてなかったので、突き止められてないのかもしれません。

最初の脅迫状に各務亜樹良の名前が入っていたらしいですが、見てもわかりませんでした…。そして、それをやったのは誰か、何のためかという謎も。保呂草…なの?

2007年11月9日/夢・出逢い・魔性 - You May Die in My Show(森博嗣)

夢・出逢い・魔性 - You May Die in My Show(森博嗣)。読み終わりました。今回は東京へクイズ番組出演のためにお出かけ。紫子、紅子、練無の3人が女子大生チーム(!)として。まあ、ぜんぶしこさんが勝手にやったことなんですが。紅子も練無も女子大生大会とは知らずに連れてこられたようです。で、保呂草も同行してます。保護者みたいなものですかね。

紫子、紅子、練無の三人はやっぱり目立つんだろうなぁ。女子大生にしてはズレまくりだし。衣装も言動も。やっぱりこの三人の中では紫子がいちばん女子大生だよな、うん。ていうか、普通に女として通じている練無ってどんな外見してるんだろう…。ますます興味ありますわ。

今回、練無と紅子が大活躍ですよ! ええもういろんな意味で。練無はアイドルとしての素質十分だと思う。度胸もあるしね。紅子は扱いづらいだろうと思う(笑)。紅子の独壇場となってたあのシーン、映像はどうなったんだろう。クイズには使われてないと思うけど、どこかで流されたりしてないのかな。紅子と練無のそれぞれの格闘シーン(笑)の映像がとれてなかったのは、私も残念でした。

「紅子」で「Vシリーズ」というのが、今までちょっと引っかかってたんですよね。普通なら Bなんだけど、と…。でも、謎が解けました。紅子のイニシャルは自称「V.C.」らしい。Vのうえに Cかよ!(笑)と激しくつっこんでしまいました。

犯人よりより何よりのサプライズがあってビックリしました…。稲沢さんって…!!

ここからはネタバレありです。

稲沢さん、女性だったんですねぇ。ビックリでしたよ、ホント。紅子さんとの会話を三回、読み返しましたもん(笑)。いや、しかし、保呂草と同じ部屋に泊まったってのはいいとして、文中、「彼」って書いてなかったっけ? と思って、あとで読み返してみたら、確かに一箇所「彼」と書いてあるんですよ。彼って書いてあれば男性と思うよ、普通! あれは意図的に? この話を書いたのは保呂草(という設定)なので、保呂草があえて騙そうとしていたということでオッケーなんだろうか…。

亜裕美が犯人のタクシーに乗ってストリップ劇場へ向かったくだり。地の文と犯人の独白は一致するんですが、タクシー運転手の証言と矛盾があって、そこで「ん?」と思ったんですよね。あとから考えてみたら、運転手が嘘をついている以外にありえないんだなぁ…。

タクシー運転手が犯人と聞いて、一瞬、驚いたんですけど、思い返せば「ああ」と納得してしまうのが悔しいところです。犯人の独白で「プロの運転手」とか言ってましたしね。亜裕美も、女の幽霊が兵隊のような(だっけ?)格好をしていたと言ってましたし。あれって、タクシー運転手の制服ってことだったんですよね。

しかし、犯人の動機がまったくもって理解不能。そこまで思い込めるものなのか…。たぶん、この後、精神鑑定がどうとか話になりそうな気はするけど。でも、人に理解されない考えを持っている人は、意外と多いんじゃないかな。私にだってたぶんある。普通はそれを抑えたり、隠したりするから、気づかれないんだろうけど。

次は練無を「かぶる」つもりだったんだろうけど、なぜ練無だったんでしょうかね。確かに興味深い人物ではあるけれど…。それがすべて?

亜裕美もよくわからなかった。プロデューサーとの関係は、結局、何だったの? ビデオ交換仲間ってだけ? そのビデオの内容もよくわからないし…。何がどうなってそういう仲になったのか、そのいきさつとか、詳しく知りたいなと思ってしまいました。

よくわからない子だったけど、亜裕美には元気になってほしいなと思いました。最後の練無のお見舞いのあたりなんか見てると、すごい応援したくなりましたもん。

本当にコーンフレーク(しかも段ボール一箱)を送ってくれた刑事さん。 なんていい人なんだ! 自腹ですかね。練無のカップラーメンは来ないでしょう(笑)。

2007年10月30日/月は幽咽のデバイス - The Sound Walks When the Moon Talks(森博嗣)

月は幽咽のデバイス - The Sound Walks When the Moon Talks(森博嗣)を読み終わりました。今回は紅子の友人のご令嬢、莉英さんのお屋敷での話。オオカミ男が出るとかなんとか噂があるところです。もちろんいつもの面々はしっかり出てきます。森川君、前回だけのゲストかと思ってたのに、阿漕荘に引っ越してきちゃいました。愉快な面々の仲間入りですかね。

全部読み終わってからタイトルを見て「ああ、なるほど!」と膝を打ちました(遅)。今回はいろいろ不思議な感じがあって、ちょっと「やられた…」と思ってしまいましたよ。ちゃんと伏線がたくさんありましたし、しかもそれが複雑ではなくわかりやすいのでね。

しこさん、だんだんグレードアップしてる気がします。しまいにはどこか飛んでっちゃうんじゃないかと心配です(笑)。いや、どこへってわけじゃないけど、なんとなくそんなイメージが。でも、そんなところが可愛いです。練無もめっちゃ可愛いです。タダ飯が大好きなのはいいのですが、いつかタダ飯をエサに誘拐でもされないかと心配です(笑)。そんなこんなで(どんなだ)、このふたりのコンビが大好きです。

紅子と七夏の応酬はやっぱり面白い。七夏、怒っても当然だと思う(笑)。でも私は、そんな非常識女の紅子が好きだったりするんだなぁ。で、林の渾名が何なのか、気になって仕方ないんですけど…。

ここからはネタバレありです。

いや、うん、まさか本当に獣の仕業だとは思わなかった。飼ってたなんてねぇ。だからあんな噂が立ったわけですね。噂にも何か根拠があるのでは? とは思ってたけど、機械音が唸り声に聞こえたとか、そっち系に考えてしまいました。

しかし、ミステリーなんて読んでると、どうしても「犯人が何かの意図で…」とか勘ぐっちゃうんですよね。それを逆手に取られてしまった感じです。オスカーはともかく、事故ってのは本当なんでしょうか…? そこらへんはちょっとばかり、ぼかされてましたけど…。

鍵は莉英の自作自演だと思ってました。みんなすぐに思いついてたことですけど(笑)。誰かを庇うためなんだろうという察しはつきましたが、細かいところまではもう全然ですよ。グラスを割った理由とか。わかった人がいたらすごすぎです。

部屋が下がったから水槽の水があふれたってことなんですよね? ってことは、あの仕掛けを動かすたびに、部屋が濡れちゃうんでしょうか…? どうにかしようとは思わなかったんですかね?

いちばん心配だったのはオスカーが処分されてしまうのではないか…? ということだったのですが、どうやらお咎めなしだったようですね。まあ、オスカーが殺したわけではないことは明らかですし、当然といえば当然なんでしょうけど、死体とはいえ噛んで引きずり回してたので、危険だと判断されたら…と 思ってしまって。

保呂草と紅子の関係にも要注目! ですね。だんだん面白いことになってきてますよ〜。

2007年10月19日/人形式モナリザ - Shape of Things Human(森博嗣)

人形式モナリザ - Shape of Things Human(森博嗣)を読み終わりました。今回は蓼科が舞台。練無がアルバイトしているペンションに、紅子、紫子、保呂草が遊びに行くところから始まります。へっ君はお留守番。

岩崎家とその周辺の人間関係がややこしくて、そのへんがちょっとわかりにくかったかな。説明はしてあるんですけど、理解するのも面倒なくらいややこしいし、多すぎて覚えられないし(爆)。

祖父江七夏が初登場。林の部下で愛人…なのかな。紅子との対決(笑)がすごかった。いつも余裕な感じの紅子ですが、七夏が絡むと平常心をなくしちゃうんですね。ついつい嫌みを言ってしまったり。でも、紅子のそういう面を見て、彼女が好きになりましたよ。

モナリザは七夏が持ってきた写真で気づきました。紅子よりは早かったぞ(笑)。言われてみれば単純なことだったんですね。気づけなかったことが悔しいです。単純であればあるほど、悔しさが大きいものですよ。

以下ネタバレありです。

私は先に四季を読んでしまってたので、絵が盗まれたという話が出たときには、「あ、犯人は保呂草さんだろうな」と勘づいてしまいました…。まあ、それがわかっても面白いことには変わりないですけど。殺人事件はまた別の話ですしね。

林がわからないです。行動だけ見てみると、どんだけひどい男だと思うけど、紅子との間に何があったのかもわからないし、七夏との関係もよくわからないし、今の段階では何ともいえない。とりあえず、感覚が普通ではないことだけはわかるけど。愛人(?)の目の前で、元妻とデートの約束したりなんか、普通はしないよね(笑)。

紅子は今でも林にべた惚れっぽく見えますね。林のためなら息子を殺すこともできるって言ってましたし。衝撃的なことのはずなんだけど、紅子が言うと全然当たり前のことのように思える。非難する気にもならなかったし。ああ、本当にそうなんだろうなと普通に納得してしまいました。そういう人がいても不思議ではないですもんね。

練無はやっぱり可愛いなぁ。デートに女装していくなんて、喧嘩を売ってるとしか思えない(笑)。七夏の反応ももっともですよ。練無君、ナチュラルなんですかね。七夏を警戒してたんですかね。それとも単に驚かせたかっただけなんですかね。うーん、9割方ナチュラルなんじゃないかと思う…。

2007年10月3日/黒猫の三角 - Delta in the Darkness(森博嗣)

黒猫の三角 - Delta in the Darkness(森博嗣)を読み終わりました。Vシリーズ 1作目ですね。こちらのシリーズも面白いですね! 四季を読んでいるので、知った名前のキャラが何人か出てたりします。そういう面からも楽しみでした。

キャラクターはみんな魅力的です。紅子は当然これからも出てくるんだろうけど、紫子や練無も出てくれるのかな? 最初はやっぱり紅子に注目して読んでたんですけど、だんだんとしこさんとれんちゃんが可愛くて仕方なくなってきました。すごく良い子だし。このふたり、いいコンビだなぁ。根来さんもいいキャラしてます。紅子の執事(?)のときと、練無の師匠のときで、けっこうギャップがありますね。

紅子の息子も気にかかって仕方なかったです(笑)。しかし、通称「へっ君」にはビックリした。すごい通称ですね…私の見間違いかと思って、3回くらい読み直しましたよ。そして、電車の中で吹きそうになりました…。へっ君には、母親のことをどう思っているのか聞いてみたいです。答えてくれなさそうだけど。

以下、ネタバレありです。

あやしいとしたら、保呂草さん(ニセモノ)しかいないと思ってましたけど、方法なんかはさっぱりわかりませんでした。いつものことですね…。動機については、紅子が早い段階で動機のない殺人について語っていたので、そういうことなんじゃないかとは感じていました。しかし、あそこまでとは思いませんでした…。なんかやるせないな。

天才の考えることはよくわかりません。理屈をこねてるけど、自分勝手なだけじゃないか。正しいかどうかは知らないけど、やっぱり肯定すべきではないんだよ。愚かでもこのシステムで生きている人間としては。…と凡人の私は思うわけです。凡人的にわかりやすいのは、やっぱり紫子とか練無だなぁ。

紅子はホントカオスな人ですね。最初は口調までコロコロ変わるので違和感がありました。でも、最後まで読むと、いつのまにか違和感が消えてしまいましたよ。馴れですかね…? 紅子が少しだけわかってきたということもあるのかも。

最後の防弾チョッキ代わりのアレは無謀だと思いました。紅子のことだから、強度はわかってたんだろうけど、そこを狙うとは限らないですしねぇ。狙っても当たるとは限らないですしねぇ。保呂草(ニセモノ)なら頭を狙うかと思った。確実に殺したいときは頭を狙った方がいいんじゃないの? と前々から思っているのですが、頭だと何か不都合があるんですかね? あんまり頭を狙ったのって見たことないような…。

行列とかクロネッカーのデルタとか、もうさっぱり覚えてませんよ(涙)。いちおう理系出身なのにな。覚えてればもっと楽しめたかもしれません…。ちょっと悔しいです。

ところで、四季に出てくる保呂草は本物かニセモノかどっちなんだろう? 記憶が曖昧なので、読み返してみたらわかるかな…? 紅子は四季に出てきたのとけっこうイメージが違ったので驚きました。年齢のせいですかね?

2007年6月24日/「スカイ・クロラ/The Sky Crawlers」 2008年公開予定

押井守監督で森博嗣原作の話が映画化されるそうです。この話は読んだことないのですが、恋愛モノなんですね。ちょっと興味があったけど、恋愛モノは苦手なんだなぁ…純愛と云ってないだけまだいいけど…。

まあ、単純に素直に恋愛だけってわけはないと思う。設定からして普通じゃない感じだったし。「主人公は思春期の姿のまま、永遠に生きることを宿命づけられた"キルドレ"と呼ばれる子供たち」だとか。

押井守氏のことは実はよく知らなかったりします。細かいこだわりを持った、小難しい話を作る人という印象くらい(酷)。

2007年1月14日/四季 冬(森 博嗣)

四季 冬(森 博嗣)。読みました。今回は秋からだいぶ時間を経たあとの話のようです。観念的な話や昔を振り返るような話が多いかな。謎はたくさん残ったまま。まあ予想はしていましたけど。殺人事件のあたりとか、組織(?)のあたりとか、なんとなくすっきりしないのですが、他の本とリンクしていたりするのでしょうか。

以下、ネタバレありです。

最初の犀川と四季の対面がいつの話なのか、どういう経緯で会うことになったのかが気になります。犀川の雰囲気がだいぶ違っているように思えるので、けっこう年をとっているのかも。

四季はえらく長生きしてます。しかも、外見はまだ若く美しいまま。眠りについたらしいですが、どのくらい眠りについていたのだろう。それにしても、若すぎるような。何かの技術の賜物だろうか。生に執着しているようには見えなかったのですが…。死を望みつつ、生き続ける。それもまた綺麗な矛盾?

技術はえらく進歩したようですね。四季の頭脳をもってすれば、精巧な自分で思考するロボットを作るのも難しくないってことか。あと、娘の細胞から人間を作ることに成功したようですね。どんなふうに成長したのか見たかったです。

パティと四季の会話が良かった。四季の「ようやく大人になった」というセリフが心に残りました。昔の四季は思うままに行動して子供みたいだと思っていたのですが、やはり子供だったということのようですね。パティと話をしている今の四季を見ると、確かに大人になったように感じます。優しくなったというか、柔らかくなったというか。

瀬戸千衣の四季の側からの話が読めたのが嬉しかったです。ちゃんと演技してたんだ(笑)。面白かった、楽しかったと四季が感じていたことが、なぜだかすごく嬉しかったです。

2006年12月29日/四季 秋(森 博嗣)

四季 秋(森 博嗣)。読み終わりました。これは主に犀川と萌絵ですね。「有限と微小のパン」の続きが書かれています。S&Mシリーズが好きなら、これは読むべきではないかと! その後のふたりが見られて嬉しかったです。すごく不安を残した終わり方でしたし、どうなるのだろうと心配でならなかったのです。

それに、今さらのように新事実が…! Fはあれがすべてではなかったわけで。恐るべし真賀田四季。というか、恐るべし森博嗣氏と言いたい(笑)。

S&Mシリーズはもちろんですが、Vシリーズも読んでおいた方が確実に楽しめそうですね。春も夏もそうでしたが、今回はS&Mシリーズとのリンクがかなりあるようなので特に。私は Vシリーズは未読なので、微妙にくやしい思いをしてしまいました。

ここからはネタバレありです。

萌絵はやっぱり可愛いな! 指輪をもらったあとの萌絵の壊れっぷり(笑)が、可愛くて仕方ないです。しかし、結局、指輪の意味はわからないままでした。普通じゃない犀川なので、普通に考えていたら肩すかしを食らいそうですけど。どうなんだろうなぁ。1回、何か言いかけたけど、そんなたいそうなことでもなさそうな感じでしたし…。

瀬在丸紅子が犀川の母親で、祖父江七夏が世津子の母親だったのか。ここらへん、複雑そうですね。前回、林が「犀川です」と名乗っていたのもよくわからなかったのですが、いまだにわからないままです…。でも、この人が犀川創平の父親であることは間違いないみたいですね。あれ? 林って、姓ではなく名前? うーん、よくわからない。私が何か大きな勘違いをしているのだろうか。

真賀田四季は犀川が瀬在丸紅子の息子と知っていて興味を持ったのでしょうね。

真賀田四季のお話の三つのこと。そのまま鵜呑みにしてもいいものかどうか。これが本当だとすると、Fで語られた動機やらなにやらがすべてひっくり返ることになりますが…。もちろん、犀川の推測にすぎないので、間違っていても不思議ではないですけど。

もし、娘の死が本当に事故だとしたら、いや、事故というより自殺ですかね。もしそうだとしたら、それが起こってから、すべてを準備したということになりますけど。とてもそうは思えない。何年も前からの用意周到な行動は何のためだったのか、ということになってしまいます。百歩譲って、起こったことはそのとおりだったとしても、それは真賀田四季がそうするように上手く誘導した…と考えた方がありえるかなぁ。死と再生の実験のために、あらかじめ想定したシナリオだったと。クロンは肉体の束縛から逃れるための方法だと考えているのだろうか。

もし、本当に想定外の事故だとして、彼女の細胞を持ち出しクロンを作ろうとしているとしたら、それは新藤の細胞のためなのかもしれない。そうしなければ、新藤の細胞が途絶えますからね。体だけのこと、などといいつつ、「夏」では細胞を受け継いだとか、そういうことにこだわっているように感じましたから。

まあ、これはきっと冬に続くことですよね。冬も楽しみですよ!

2006年12月24日/四季 夏(森 博嗣)

四季 夏(森 博嗣)。読み終わりました。今回は真賀田四季 13歳のときの話。「すべてがFになる」を読んでいる人にはわかると思いますが、例の事件とそれに至るまでが書かれています。

そんな重要な話にもかかわらず、こんな阿呆な感想を書くのは憚られますが…四季のあまりの可愛さに身悶えしてしまいましたッ。いや、こうなるとは思いもしませんでしたよ! 特にツボだったのは、タクシーでの眠ったふりと、キスの練習、そして「おじさん」を「お兄さん」に言い直したところ。いいね! 可愛いね!

例の事件のところは、Fで四季が自ら語っていたことと少し違っていました。実際はこういうことだったんだなぁ。「すべてがFになる」を読んだ方にはぜひ読んでもらいたいです。

以下、ネタバレありです。

四季も成長して、子供の頃のような気難しさは消え、それなりに社会に順応していました。研究員に付き合って一緒にラーメンを食べたり、ひとりで電車に乗って出かけたり。普通の人の会話に普通に応じたりもしてましたね。天才だから、それを装うのも簡単、ということかな。

新藤に近づいたのは、普通に好きとか慕っているとかいう気持ちではなく、利用するためでは? とちょっとだけ疑念を持っていたのですが、各務亜樹良がその質問をぶつけてくれて疑いは晴れました。確かに、そんなことしなくても、四季ならいくらでも思いどおりにできますものね。

この遊園地あたりの四季は本当にめちゃくちゃ可愛いです。タクシーのときもそうだし、キスの練習も、泥棒さんとのやりとりも。「おじさん」を「お兄さん」に言い直すなんてお約束、まさか四季がやってくれるとは思いませんでした(笑)。

其志雄が復活。消えたわけではなく、深いところに潜っていたようですね。さらに、須磨が四季の中の人格として復活。Fでそう書かれていましたけど、名字が違いますし、本当に森川須磨の人格なのか疑っていました。ものすごく意外です。便利なだけで、どうでもいいような人だったのに。どういうことなのだろう。そもそも、私はてっきり四季が須磨を殺したのではないかと疑っていたのですよね。「夏」で違うということが判明しましたが。しかし、彼女の死には怪しいところがあるのも事実。その真相は明かされるのでしょうか。

新藤を誘うまでの計画、駆け引きはすごかった。まるきり大人の女性です。いや、ここまでやる人は滅多にいないでしょう。相手の奥さんの声色を使って電話をかけ、予定を聞き出すなんて(笑)。

四季が自分が妊娠したことを父と母に告げるあたりは、Fで四季が語ったこととだいぶ違いがありましたね。Fではたしか、もっと無邪気な感じだったはず。でも、実際はとても落ち着いていて、すべてを予想していた。父親に殴られたときも、驚いた様子もなく悟りきっていましたし。

両親を刺し殺すところも、ちょっと違っていました。新藤が四季を利用して刺し殺したというふうに思っていたのですが、四季自身の意思だったわけで。新藤の方が利用されたともいえなくない感じです。

四季は両親を殺したわけですけど、どういうわけか単純に非難する気になれないのですよね。擁護も賛同もするつもりはないのですが、彼女の中での純粋な考えに基づいての行動だったわけで。その考えも利己的なものではなく、ある種の真理を孕んでいるものだと思えますし。もちろん、人間としては非難されるべき行動ですが。真賀田四季は人間という枠組みに収まりきれなかった人間なのかな。動物や昆虫なんかは、合理性のために残酷なまでの習性を備えた種もあるわけで、何となくそんなものを思い出してしまいました。

砂浜を誰かと歩きたいという四季の言葉を聞いてドキリとしました。このときから考えていたこと…だったのか…。

2006年12月15日/四季 春(森 博嗣)

四季 春(森 博嗣)。読み終わりました。ボリュームが少ないのでさっくり読めます。

時間とも空間とも乖離している。四季を表現した言葉ですが、この物語を読み始めて受けるのが、まさにそんな感じ。とても不思議な感覚。そのときどきで頭を切り替えないと混乱して読み進められないかもしれません。読みづらい、というわけではないのですが。(これには理由があって、読み進めていくと納得してすっきりします)。

真賀田四季の 5歳から 13歳までの話。5歳、いや 3歳時点で、もうすでに圧倒的な天才。天才の片鱗なんてものではない。すで頭脳としては完成されているのではないかと思えてしまう。

でも、ごくたまにですけど、“僕”にだけもらす弱音めいた言葉や、“僕”だけが気づく彼女の感情などから、彼女も人間なのだと思えました。この“僕”視点で語られているせいでしょうか。どこか優しいあたたかさが感じられます。そして、少し泣きたくなりました。

まさに春 [Green Spring]というタイトルにふさわしい話だったと思います。

ここからネタバレありです。

「すべてがFになる」を読んでいたので、其志雄が四季の人格のひとりという考えには、わりとすぐにたどり着きました。でも、それではどうも説明のつかないところがあって、腑に落ちないと怪訝に思っていたのですよね。其志雄がアメリカに渡ってからは確実に何かが違うと。もしかして、実体のある其志雄もいる? 死んだと思われていた兄が、実は生きている? とまでは考えたのですけどね。まさか其志雄の中にさらに別人格の透明人間氏がいるなんて…。ややこしすぎ!(笑)

しかし、其志雄が隠されていた理由というのは何だったのでしょうか。戸籍すらないなんて。単なる病気というわけではないですよね。本当に透明人間だったらそうするかもしれませんが…。彼の出自を隠したかった、ということなのでしょうか。それにしては極端すぎるような気もするし…。

花をちぎりまくるシーンが印象的でした。そんな無邪気なくらいの疑問を持っている子供は、案外多いのではないかと思う。大人になっても解決するわけではないけど、そんなものだと思って受け入れているだけかな。こんなことを言っては頭がおかしいと思われると考えて、たいていの人は自制するのですよね。

新藤とのことが気になります。四季の態度がどうもね。もしかしてこのときから…? 普通に好きだとか、そんな感情なのかどうかわかりませんが。

最後、四季の中の其志雄が消えたときは、なんともいえない寂しさみたいなものを感じました。ずっと四季のことを見守っていた其志雄が、大好きだったといいながら消えていった。そして何より、四季が「私を置いていかないで」と言ったことがね。あの四季が、ですもんね。

其志雄は消えたけど、また戻ってくるのでしょうか? Fのとき、其志雄の名前を使っていましたが、単に四季が利用しただけなのか、本当にその人格がいたのか…。気になるところです。

プリンストン大って、私の弟が研究しに行っていたところじゃないか…(今はスタンフォード)。マスタではなくポスドクかなんかだったけど。でもとにかくすげぇなオイ。真賀田四季と同じ大学なんて!(笑)。プリンストンと聞いてプリングルスしか思い浮かべられなかった馬鹿な姉を許してくれと言いたくなりました(……)。

西之園教授と会ったときの四季は、普通に利発な少女という感じでした。子供のときのような、他人を遮断するような感じは見られなかったですし。大人になったということなのだろうか。それとも相手が西之園教授だったからだろうか。天才にも気後れすることなくフランクな態度で接する西之園教授……最強かも(笑)。つまらない冗談を言ったり、コップを片付けさせたり。やるなぁ。

2006年12月7日/有限と微小のパン(森 博嗣)

有限と微小のパン(森 博嗣)。読み終わりました。今回は長崎のユーロパークが舞台。これはハウステンボスがモデルですよね。ユーロパークはナノクラフトという会社が運営していて、萌絵はそのナノクラフトの大株主。社長の塙理生哉とは許嫁だったり。

それはさておき(え?)、今回はなんといっても真賀田四季ですよ。再登場です。まったく見くびってなどいなかったのですが、想像の斜め上を行ってました。最後の最後には、本を落としそうになったくらいビックリしたさ!(本当に手が滑った…)。

真賀田四季を理解しようとすると、頭がパンクしそうになります。もう「わかりません」としかいえない。ええ、だってワタシ凡人ですから。でも、彼女がどういう思考をしているのかは、ものすごく興味があります。本当に彼女自身の言葉どおりなのか、彼女自身が把握しきれていない部分はないのか、気になりまくりです。

以下、書きなぐりネタバレ感想です。まとめようという気力がなかった…。

真賀田四季がナノクラフトに匿われているとすれば、ユーロパーク全体が彼女の庭みたいなものなので、萌絵と犀川の動きは筒抜けだろうなとは思ってました。萌絵はホテルの外へ電話をかけに行きましたが、ホテルの外もユーロパークの中だし、やっぱり盗聴されているだろうなと。犀川もユーロパーク内のネットカフェから接続したり…。犀川先生ともあろう人が、それでごまかせると思っていたのだろうか。メールをためておくより、よほどヤバい行為だと思うのですけどねぇ。

それにしても、まさか刑事さんまで嘘だったとはね。萌絵の知り合いの刑事さんということで、疑いもしませんでしたよ。ナノクラフトに引き抜きされていたなんて…。まあね、殺人事件が起こったのに、普通に開園していたので、いいのかなぁと思っていましたが。あの大掛かりさ加減はけっこう好きです。殺人事件さえ起こらなければ、確かに面白い実験だったかもしれません。

私は、真賀田四季はもう死んでいるのではないかと思っていたのですよね。彼女は物理的なものに価値を見いださかった。だから、自分にとって理想の状態、つまり思考のみの存在になったのではないかと。真賀田四季をすべてプログラミングして、会話も思考も動作(ヴァーチャルですが)も自由に出来るようになっていると。クライテリオンでの会話のプログラムが伏線なのかなと。でも、技術的に突飛すぎるというのが、気にかかっていたのですよね。コナンの世界なら許されても(ベイカー街の亡霊の話…すみません…)、もうすこし現実よりなこの世界ではね。

途中、もう死んでいるという発言があって、もしかして? と思ったのですが、結局は生きていたということで。彼女の一部が死んだ、という意味だったのですね。

すべては犀川と歩きたいがため。情報だけで良かった。だから、ヴァーチャルで良かった。ヴァーチャルで良かったのか、ヴァーチャルが良かったのか…。塙社長も藤原副社長も、子供みたいだと言っていましたが、四季がいちばん子供みたいですね。そうしたいと思ったから行動する、それだけなのでしょう。だからこそ、純粋な意思だといえるのでしょうか。

瀬戸千衣が真賀田四季だとわかったときにはもう…! 瀬戸千衣って、きゃあきゃあ言っていた、あの可愛らしい若奥様(イメージ)……ええっ、うそっ…と絶句。あまりにも真賀田四季のイメージと遠い人物だったからさ。こんな普通の奥様のふりをするだけの社会性と演技力があったことが驚きだ。犀川も気づかなかったくらいだしね。口元を押さえてたのは、特徴のある鋭角の顎を隠すためだったのだろうか。

1年もの間、こうやって演技をしていたのも、すべては犀川と歩くためですか…?

瀬戸千衣の夫の名前「瀬戸幸朗」。四季の父親「左千朗」からとったのですかね。何を考えてこの名前にしたのでしょうか…。普通の人だったら、父親のことが忘れられないからとか、父親を慕っているからあたりになりそうですけど、真賀田四季だからなぁ。そんなセンチメンタルな理由とは思えないけれど、最近は矛盾を受け入れるようになったというからどうだろうか。

引っ越しのときに下から手を振っていた男性は旦那さん? ただの引っ越しお手伝いの人? 漫画家とはいえ、一度も姿を見せなかったら、近所の人たちが怪しむと思いますし、やはり旦那さん(役?)の人はいたと考えるのが自然。その男性かどうかわかりませんけれど。

「また」と言っていたから、犀川と四季は、いずれまた会うのだろうか。約束はないけれど、いつか会うだろうと思っているということ? 犀川は、最後までずっと萌絵ではなく四季を向いていたのが、ものすごく気がかりです。

萌絵は大丈夫なのかな。大部分の萌絵は死にたがっていると四季が言っていた。お父様とお母様のもとへ行きたいと願った。でも、犀川に懲りたかと問われて、悩んだ末に「いいえ」と答えた。不安だけど、大丈夫であると思いたい。

四季が萌絵の中に見た希望というのは何だったのだろう。他にもいろいろ気になることが残っています。もういちど Fを読み返して、コレも読み返してみよう。

というわけで、S&Mシリーズは終わりです。えらく不安を残す終わり方でしたが…。でも、このシリーズを読むことが出来て良かったです。面白かった。私のために書いてくれたと勘違いしそうになった(笑)。いろんな意味でね。

アマゾンさんオススメされて知ったのですが、なにやら四季の四部作があるとか。四季 春四季 夏。秋と冬は新書では出ているけど、文庫ではまだなのかな? 真賀田四季の生い立ちとかが書かれているらしい。これは読まなければね!

2006年11月11日/数奇にして模型(森 博嗣)

数奇にして模型(森 博嗣)。読み終わりました。今回は模型(フィギュアや鉄道模型など)関係者の間で起こる事件。オタクな世界が展開されています。喜多の趣味が模型だったとは、けっこう意外でした。喜多が結婚しないのって、この趣味が一因だったりして。自由気ままに趣味を満喫したいタイプなのかなと。

それにしても、公会堂ってリアリティありすぎだ! 模型は知らない世界ですけども、公会堂2階の創作系同人誌即売会には参加したことがあるので、なんとなく情景が思い浮かぶんですよ。妙に恥ずかしいような気持ちになってしまいました。萌絵もコスプレ(たぶん恥ずかしい SF系)する羽目になったり。あの萌絵を理詰めで説得させた大御坊はすごいと思った。説得されたというか、わけのわからない迫力に圧されて負けたという感じか。他にナースコスプレ(違)も披露だったり、萌絵ちゃん大サービスです(笑)。

ここからはネタバレありです。

最初は筒見紀世都が筒見明日香を殺した犯人かと思ってました。方法は全然わかりませんが、なんとなく。芸術家っぽい雰囲気を漂わせていたので、妹を殺して首を持ち出すという狂ったこともやりそうだなと。上倉さんを殺したのは別人ではないかと思いましたが。でも、萌絵に手紙を渡した時点で「違うのか?」と…。

寺林は最初の方は完全に除外していました。筒見明日香を殺していないとはっきり書いてあったし、萌絵や三浦も寺林は犯人でないだろうと言っていたので…。確かに筒見明日香を殺してはいませんでしたが…。あとで考えたら、プロローグが思いっきり思わせぶりだったのになぁ。また上手いこと騙されてしまいました(汗)。

彼が怪しいと感じたのは、病院を抜け出して、萌絵とともに筒見紀世都のアトリエに行ったとき。誰かがあの日に筒見紀世都のアトリエに行くなんて何の保証もないのに、誰かに見せるようなあんなアトラクションを用意していたなんておかしいですもの。行くと言い出したのは寺林だから、この準備ができたのも寺林としか…。筒見紀世都のメッセージを焼いたのも怪しかったですし。

バスタブの中の筒見紀世都は、何かを塗っているのではなく、彼から型をとったフィギュアではないかと思いました。違っていましたが、微妙に惜しかった。

今回の事件の動機もフィギュアにあるのではないかと考えてました。筒見明日香の首で型をとってフィギュアを作る、そして、体の方は萌絵から…。で、理想の完璧なフィギュアを、ということなのかなと。いつになく犀川が事件に積極的だったのも、萌絵が狙われていると何となく感じていたからなのかと…。うーん、型をとるというあたりは惜しかったけど、まさか理想は筒見紀世都の方だったなんて。

しかし、筒見紀世都がいまだによくわかりません。あの手紙はいったいどういうこと? 筒見教授の鉄道模型のミニチュア建築物の中に入れたフィギュアのことだと思いますが、その意味がわからない。女性は筒見明日香だとして、男性は誰? なんか、まるで自分が明日香の首を切ったとでも云いたげな…。気のせいかな。でも、もし寺林が首を切った犯人だと気づいていたのなら、どうして何の警戒もなく殺されてしまったのだろう。「保険」ということは、殺されるだろうことを予感していたのではないかと思うのですが。これでは、まるで、自らそうなることを望んでいたような。考えすぎかな。

ポールに頭をぶつけた犀川が最高でした。本当に頭がやばいんじゃないかと思いましたよ。「曾我先生も、頭をお大事に」って、どこまでボケ倒すんだと(笑)。でも、萌絵救出のときの犀川はカッコ良かった。クリップも無駄にはなりませんでしたね。

今回は金子君が大活躍でした。ストーカーかと思うほどに萌絵につきまとって…いや、心配して追いかけてきてくれて。金子君がいなかったら、萌絵も犀川も危なかったですね。しかし、まさかラヴちゃんと付き合っていたとはねぇ。萌絵のことを気にかけていたのは、飛行機事故の遺族どうしということだったからなのかな。彼女の友達ということもあったのかな。それにしてはあそこまでやるか、という感じもしましたけど。

喜多は案外子供っぽいところがあるなと思いました。模型のことではなくてね。唐変木な犀川に苛つくのはいいとして(笑)、犀川が妹がいることを言わなかったことに腹を立てたり、萌絵のコスプレを見たことをむきになって強調したり。

解説は米沢嘉博さん(コミックマーケット元代表)。オタクな話だったとはいえ、すごい人に頼むなぁと思って読んじゃいました。あまり解説は読まないのですけども。読んでみたら、えらいことになってました。ああ、森博嗣さんにそんな過去が! 驚愕しました。文庫についているしおりを見て「絵も上手いんだな」とは思ってましたけど、漫画まで描いていたなんて。キャラクターが活きていて漫画っぽいなという感じは以前から受けていたのですけど。

しかし、天は二物を与えないなんて嘘っぱちだということを、あらためて思い知らされました。何やってもダメな人間(ワタシ)もいるのにね…。

2006年10月22日/今はもうない(森 博嗣)

今はもうない(森 博嗣)。読みました。今回、事件部分は笹木さん(40歳男性・独身で婚約中)視点で語られています。新鮮です。ついつい「頑張れ笹木さん!」と思ってしまってました(笑)。ちょっとトロいところとか、調子に乗っちゃうところとか、とてもかわいいです。しかし、すっかり騙されてしまいましたよ。やられたッ! と思いました。面白かったです。

ここからはネタバレありです。

すっかり騙されましたよ。笹木=佐々木だなんて! 芸能人でもないのに本名ではないなんて、わかるわけがない。それに、叔母さんと萌絵、本当にそっくりではないですか! 前々から似ているところがあるとは思っていましたけど。事件のことを嬉しそうに犀川に話していたこともありましたよね。そうか、萌絵も睦子も、両方ともイニシャルは M.N になるわけですね。諏訪野は今も昔もちっとも変わらない(笑)。年齢不詳だなぁ。それにしても、叔母さんが無線に詳しかったというのは意外です。

ちょっとおかしいと思ったのは、幕間で萌絵が橋爪さんが亡くなったということを言ったとき。その事件からどのくらい経っているのだろう…と不思議に思いました。決定的におかしいと思ったのは、事件の三年後に真理子と橋爪さんが結婚し、その数年後に橋爪さんが亡くなったというのを見たとき。だったら、今の萌絵は 27歳を超えているはずなんだけど…と。でも「まだ、二十二です」とか言ってるし…。かなり混乱していました。

もしかしたら、一部、笹木さんの妄想が入っているのかと思っちゃいました。「笹木さんと結婚します」のあたりから、フィクションに違いない…と思い込もうとしていました。もしくは何かのドッキリかと(笑)。いや、でも素敵な結末で良かったです。叔母さんがなぜ笹木さんを選んだのか、ぜひ叔母さんの口から聞きたいところですね。叶わないと思いますけど。

というわけで、今回は萌絵と犀川の出番は少なかったです。でも、萌絵の仕掛けたいたずらが可愛かったので満足。犀川の「二人でシネマ・ショー」には笑った。なんて不謹慎な駄洒落!(笑)

2006年10月10日/夏のレプリカ(森 博嗣)

夏のレプリカ(森 博嗣)。読み終えました。「幻惑の死と使途」と同時進行していたのですね。「幻惑の死と使途」で、章が奇数番しかなかったのは、そういうことだったのか(遅)。「夏のレプリカ」では、章が偶数番だけになってます。裏側から見ているような面白さがありました。

以下、ネタバレありです。

最初の誘拐の描写で、肝心なところが曖昧なのが非常に気がかりでした。どこかで味わったような感覚…と、頭に浮かんだのはアガサクリスティの「アクロイド殺し」。なので、嫌な予感はしていたのですよ。杜萌ではなく、せめて家族だったらなと思っていたのですが…。なんだかやりきれないです。しかも、そんな理由のためになんて。

自首はしたのでしょうかね。杜萌の言葉を信じたいですが、赤松が納得して一緒に自首するとはあまり思えないし。ものすごく不安です。死んでしまうのだけは勘弁してほしい。

素生にはビックリしました。アレ? 死んだんじゃなかったの? 結局、それは杜萌の思い違いだったということか。それだけでも救いかな。いつ、どうやって家を出たのだろう。家族に何も言わずに失踪したのかな。あの若い女の人は誰だろう。いつ、どうやって出会ったのだろう。彼女が素生が家を出る手助けをしたのだろうか。失踪したのが誘拐事件より前だとしたら、家族はどうして隠していたのだろう。警察にも届けないなんて。謎だらけです。

2006年9月30日/幻惑の死と使途(森 博嗣)

幻惑の死と使途(森 博嗣)。読み終わりました。愛知県警の刑事さんたちはほとんどアイドル親衛隊と化してますが、大丈夫なんでしょうか(笑)。今回はマジシャンの話。いやもうすっかり騙されました。犯人の正体が明らかになっても、頭の中はハテナでいっぱい。まいりました。

以下、ネタバレありです。

今回の犯人はまるでノーマークでした。遺体消失のトリックだけなら、関わっている可能性が高いですけど、他には無関係だと思っていたので除外してしまってました。言われてみれば確かに納得ですが、そんなこと思いもつきませんって。

犀川は動機まで推測していましたね。けっこう意外でした。なんの根拠もない推測をみんなの前で披露することが。名前のためにというのは、第1章の最初にある男のモノローグから当たっているように思いますが(すると加部谷恵美が会っていたのは原沼だったのか)、ミカル殺害の動機は推測に推測を重ねてますし、かなり曖昧ですよね。それっぽい話はどこにも出てきていませんし。私は、ミカルは匠幻の娘だと思い込んでました。って、それじゃ「冷たい密室」と同じパターンだ(汗)。

にしても、萌絵は本当に危険に巻き込まれます。自ら巻き込まれているようなものですね。こうなったら、犀川に頑張ってもらうしか。興味はなくとも、全力で事件を解決するとか。萌絵がのめり込む前に(笑)。犀川が本気になって警察にも協力すれば、もっと早く事件が解決すると思うのですよ。まあ、無理ですよねぇ。

萌絵の友達の杜萌ことが気にかかって仕方ないのですが、結局最後まで出てこなかったです。次の事件がそれなのだろうか。

2006年9月15日/封印再度(森 博嗣)

封印再度(森 博嗣)。読み終わりました。本当は通勤中だけ読むはずだったのですが、途中で展開がえらいことになって、いてもたってもいられなくて、帰ってから一気に読みふけってしまいました。ミステリを読みながら、ここまで事件のことがどうでもよくなったのは初めてです(笑)。壷と鍵箱の謎もめちゃくちゃ面白かったのですけどね。思いもつかない! 本当にすごかった。わくわくしました。でも、一時はそれどころではなく、事件の部分は上の空で読んでました…。

ここからはネタバレありです。

今回はなんといってもアレですよ。エイプリルフール。私は最初から嘘だと思ってましたけどね。諏訪野なら、西之園家の人に命じられたら、嘘でもつくだろうなと。はっきり言わなかったのもあやしいし、ちょっと申しわけなさそうなニュアンスも読み取れましたし。それに、いくらなんでも、こんなべったべたな展開はないだろうなと(笑)。でも、絶対に嘘だとは言い切れないわけで、不安ではありました。

それよりも、犀川も爆走っぷりにびびりました。最初に病院へ行ったときから萌絵の病気について疑ってかかっていたみたいですよね。何の根拠もなくどうしたんだろうと、この時点でも驚きました。それだけ萌絵のことを心配してたってことなんでしょうけど。それがあったから、諏訪野のあんな曖昧な電話でころっと騙されてしまったのですよね。いや、むしろ自分から積極的に騙されてる感じでした。その後の思考の飛躍っぷりもすごかったし。普段は冷静な犀川のこのうろたえ方。本当にすごかった。

でも、犀川の中で、萌絵の存在がここまでのものになっていたということが、すごく嬉しかったです。何か本当に夢を見ているみたいで、夢オチなのではないかと心配してしまったり(笑)。それと同時に、もしこれが嘘だとわかったらどうするか、ものすごく怖かったです。嘘をつかせたのは萌絵か叔母さんだと思っていたのですが、叔母さんならともかく、萌絵だったら…。

と思ったら、本当に萌絵だった! 本気で怖かったです。せっかくここまで築いた関係(アンドロメダまで自転車で行くようにして、だっけ)が崩れるのではないかと。でも、うん、よかった。いちばんベストな決着だったかな。犀川が(表面上は)あまり怒らず、鬱積したものが残っても嫌だし、かといって、喧嘩別れも嫌だし。あんまり反省していない萌絵は、とってもイイ性格してます(笑)。そんなところも好き。

そういえば、萌絵は男どものコントロールが次第に上手くなってますね(笑)。鵜飼さんに片桐さんに浜中君…。この人たちはなんか好きです。いい人っぽいというか、普通っぽいというか。なんかほっとする感じ。この 3人とは違う感じですが、金子君もそのうち萌絵にいいように使われるようになるのだろうか(オイ)。

婚姻届は叔母さま預かりになってしまって、なんかまた宙ぶらりんな状態。それがちょっと嬉しかったりもするのですけど。

国枝さんの「ごちそうさま」メールは、酔っぱらって記憶にない萌絵はともかく、犀川は気づいてもよさそうなものなのに。読者はすぐにわかりますよね、コレ。こういうところには、とことん疎いというか鈍いというか。

壷と鍵箱のからくりは、ぜひ実際に目にしてみたいと思いました。今までの謎でいちばんわくわくしたかも。これで人が亡くなっているのにわくわくというのも不謹慎ですけど。まあ、萌絵に比べればかわいいものだ(笑)。

今回も最後に少し謎が残りました。香山夫人の言葉をどこまで信じていいのかな。少なくとも、刀を抜いて壷に戻したのは林水だったようですが。香山夫人が語った林水の望みは、私には理解不能ですけど、でもそういうこともあるんだろうなとは思う。何を美しいと思うかは人それぞれですから。それがありえないとか間違っているとかは誰にも言えない。

2006年9月10日/詩的私的ジャック(森 博嗣)

詩的私的ジャック(森 博嗣)。読み終わりました。これは…何といえばいいのかわからないけど、悲しいというかやりきれないというかもやもやするというか。萌絵の言葉を借りれば消化不良ですかね。犯人の心理なんて全然理解できないけれど、そういうこともあるのかもしれないと思う自分もいて。

萌絵と犀川は離れているときが多くて、ここらへんもやきもき。萌絵が弱っていたり悩んでいたりするのを見るのがつらくて。でも、これは萌絵が大人になるためのステップなんだな、うん。犀川も少しずつ認めてきてますし。かなり手強いけど、もう少しだ。いや、まだまだか(笑)。最後の萌絵のお願いのあたりは大好きです。夢と希望の違いも良かった。

今回は国枝さんのオトコマエっぷりにしびれました(笑)。

ここからはネタバレありです。

篠崎が結城稔の代わりに歌詞を書いているというのは、萌絵と最初に話していたときにピンと来ました。で、篠崎が犯人かなと何となく思ってしまいましたが、あからさますぎるので、途中からはやっぱり違うのかなと。結城稔は違うと思ったので(根拠なし)、となると杉東千佳か結城寛かと思ったのですが、そう思っているうちに杉東千佳が死んでしまいまして、じゃあ結城寛かなぁと。最後の密室の入れ替わりはだいたい見当がついたのですが、第 1の殺人とそれ以降の犯人が別人だということは思いませんでしたねぇ。

動機は全然わかりませんでした。わかりようもないと思いましたけど。まず杉東千佳が最初の殺人の犯人であるということがわからないと、結城寛の動機も思いつきませんからね。そのまえに杉東さんが前川聡美を殺した動機というのがわかりません。嫌いなタイプで口論するくらいならわかりますが、殺してしまうほどの何があったというのだろう。以前から面識があったわけでもないのですよね。絶対に触れられたくない何かを言われて、我を忘れてしまったのだろうか。そこのところが知りたかったです。

結城寛の動機は本当にアレなんでしょうか。自分のキャリアのために、殺人者となった奥さんが邪魔になったから消した、くらい単純だとまだわかるのですけど。自分が不完全で汚れた人間だからそう思うんですかね。でも、そんな高尚さや完璧さなら、なくて良かったと思う。Fの真賀田四季もさっぱり理解できませんでしたが、もともとが理解不能の天才だったので、理解はできないけど納得はできた感じでした。

この関係者の中で、篠崎のことだけはわりと理解できます。語った言葉が適切かどうかというのはありますが、そう遠くもないんだろうなと。

あのナンバリング、うっかり「IZAM?!」と思ってしまいました、すみません(汗)。いや、絶対に違うことはわかってましたけどね。歌手つながりということで、もしかして狙ってたのだろうかとか(ありえない?)。

しかし、あとからあらためて読んでみると、犀川と篠崎の<最後の二十セント>での会話はすごいですね。ホントに超天才だわ。

ここからは余談。今回は N大の中でも知っているところ(場所だけでなく N大祭もね…)の描写が多くて、なんとも痛かゆい気持ちになりました。懐かしいと同時に、忘れてしまいたいような思い出もあったりするので(笑)、どうも心穏やかではなかったです。

T講堂は豊田講堂ですね。ああ書いてあったので、多分わかったと思いますけど。上から見ると車の形をしている(あまりそうとも思えないけど)からこういう名前がついたとか、まことしやかに言われてたりしますが、本当のところは誰もわからないようです。

S女子大(星ヶ丘キャンパス)のモデルになったと思われるところへ、しばらく通っていたことがあります。講師アシスタントとして。ここの描写も少し懐かしかった。コーヒーは出ませんでした(笑)。

2006年8月26日/笑わない数学者(森 博嗣)

笑わない数学者(森 博嗣)。読み終わりました。面白かったです。今回は館系(って何だ)。今回はコンピュータ関係は少なめですが、代わりに数学的なクイズがありました。私にはさっぱりわかりません(笑)。

今回は名古屋(物語中では那古野ですが)なものがいろいろ出てきて、ちょっと嬉しかったり。ナナちゃん人形は名古屋人なら誰でも知っているといっても過言でないくらい有名ですが、もぐらのチカちゃんは結構マニアックだと思う。近鉄というのも嬉しいなぁ。しかし、喫煙席が先に満席になることは、私の知る限りないのですけどね。禁煙席が満席で、泣く泣く喫煙席をとったことは何度かあります。タイミングが悪いとそういうこともあるのだろうか。

萌絵は、またまたものすごい行動力を見せてくれました。その行動力が好きなのですが、はらはらして胃が痛くなりそうでした。ビリヤード大会とかの負けず嫌いな話もツボですよ。サンドイッチも素敵でしたなぁ。あんなものをためらいなく出すな!(笑)。あと、アレですよ。ヘリ! 諏訪野がヘリで迎えにきたのにはビックリ。

犀川がどういうふうに萌絵を思っているのか、少し見えてきたような。でも、犀川の分析も合っているかどうかわからないよなぁ。で、結局いつまで曖昧なままにしておくつもりなんだろう。

とにかく、犀川と萌絵の会話がたまらなく好きです。

ここからネタバレありです。

オリオン像消失の謎はわりと早めに解けたのですが、確信は持てませんでした。左右逆になるのは避けられないし、外をちょっとよく見てまわればバレそうなものだと。でも、過去 1回、それも天候の悪いときにしかやってなかったことを考えれば不自然ではないのかなぁ。

でも、殺人事件の方は最後までさっぱりわかりませんでした。謎も残りましたしね。私は、最初に翔蔵を見たとき、宗太郎が入れ替わっているのではないかと思いました。年よりも若々しいというあたりも気になって。犀川が翔蔵に会って失望したみたいなことを言ったとき、やはりそういうことかと思ったのですけど。でも、それでは「F」と同じ…ということが引っかかってまして。結局、アレは誰だったのでしょうか…。考えれば考えるほど頭が痛くなってきます。

最後の円の外側へ出る、という話は、昔どこかで聞いたことがある話です。読んだのかもしれません。どちらかは覚えていませんけど…。有名な話なんでしょうか。というか、あの老人が誰かということが問題。

2006年8月23日/冷たい密室と博士たち(森 博嗣)

冷たい密室と博士たち(森 博嗣)。読み終わりました。今回は N大学で起こる事件。前回ほど非常識でも異常でもなく、わりと普通な感じでした。舞台もトリックも動機も。正統派な感じかな。そういうわけで、前回ほどの衝撃はありませんでした。でも面白かったです。

犀川はやっぱりつかめそうでつかめない。でも、なんていうか、すごい可愛いです(爆)。ビール 2杯でへろへろになったり、笑えない冗談ばかり淡々と言ったり、自分に対しても冷静に分析してたり、理屈っぽかったり…挙げればきりがないけれど、そんなところが妙に可愛く思えてしまいました。国枝さんに対しての評価はひどいと思った(笑)。そこまでいうか!

萌絵もやっぱり可愛いです。犀川を怒らせて、その後のメールの文面が真面目になってるあたりとか、いいね! 行動力はさらにパワーアップしてないか? おかげで危ない状況に…。でも、そんな状況でも冷静なところはさすがです。そして、今回は萌絵の住まい公開。やっぱりすごかった…。

以下、ネタバレありです。

犯人は木熊教授か喜多助教授、もしくは共犯かと思ってました。木熊教授が途中で死んでしまったので、思いっきり喜多を疑ってしまいました(汗)。海外出張なんていって、本当はずっと日本にいたに違いない! とか…。でも、全身を覆う防寒スーツというのはあやしいので、誰かと入れ替わっていたんだろうなとは思ってましたが。そう考えていたのなら、女性を疑うべきでしたね…。

ひとつ解せないのは、フロッピィの「shika」フォルダが消されていなかったこと。中のファイルを全部消すんだったら、普通、フォルダごと消してしまうと思いますが。ファイルだけ消してフォルダは残すというのは、そのフォルダをまた使用する予定があるときだけではないかと。そんな予定あったのだろうか。

最後の犀川と萌絵が良い!

2006年8月11日/すべてがFになる(森 博嗣)

すべてがFになる(森 博嗣)。読み終えました。めちゃくちゃ面白かったです! すごかった。「のわっ! え? まじで?」みたいな衝撃とドキドキ感を味わいました。「F」の意味がわからなかったことが非常に悔しい。ものすごい敗北感です(笑)。

ストーリーもトリックも面白かったのですが、キャラクターもこれまた良くって。萌絵がめっちゃツボ。良家のお嬢さんで(両親は事故で他界)、基本ははつらつとした感じのいい子。でも、ちょっと世間とズレているところもアリ。焼肉のタレを知らなかったことに驚愕…。頭はめちゃくちゃ良く、理系人間。そのわりには、頭がいいとは思えない行動をとることもあったり。何もかも自分好みです。自分のために書いてくれたのではないかと錯覚してしまうくらい。可愛いよ、ホント。きゅんきゅんします(笑)。

犀川も良いです。つかめそうでつかめない。クールでドライで少し理屈っぽく、常識にとらわれない思考を持っているけれど、常識も頭ではわかっているのですよね。そして、どこか普通っぽいところもある。真顔で萌絵の卵焼きをもらうところには、思わず笑い転げてしまいました。ハンバーグやカレーも好きなんだろうか。女に対する興味のなさも新鮮でした。萌絵は苦労しまくりそうだけど(笑)。あれだけわかりやすい態度を見せられても、いつもそっけなくかわしてます。どう思っているんでしょうね、萌絵のこと。

というわけで、このコンビが好きです。S&Mシリーズということで他にも出ているようです。えーと、全10作? そんなに出てるの? でも読まなきゃ!

文句なしにオススメ! といいたいところですが、好き嫌いはけっこう分かれるかもしれません。理系アレルギーもしくは理系人間アレルギーな人には向かないかと。アレルギーさえなければ、理系人間でなくても大丈夫だと思いますけど。私も理系人間とは云い難いので。

余談ですが、これ、愛知県が舞台なんですよね。研究所のある島も、実在の島がモデルなんだろうなと一目でわかります。漢字は変えてますが、読み方は一緒なので。ちなみに篠島は実在しますよ。N大は私の出身大学がモデルっぽい(たぶん)。私も工学部でした。建築ではなく情報工学ですが。そんなわけで、かなり親近感があったり。

以下、ネタバレありです。

あの「トロイの木馬」にはビックリでした。思いつきもしませんでした。レッドマジックの暴走は、四季がもともと仕掛けてあったものだろうと想像がついたのですが、娘はねぇ。ただ、四季はだいぶ昔から誰かと入れ替わっていたのではないか? とは思っていました。あのタイミングで来た未来はあからさまにあやしいので、未来と四季が入れ替わっていたのかな? と。四季の方が若く見えるとか、少女のようだとか、そういうところが怪しいなと感じてましたので。かすってはいたけど、正解にはほど遠かった…。

しかし、ばれずによく 14年間もひとりで娘を育てられましたね。子供の育て方なんて知らないわけでしょう? いくら天才でも、知らなければできないこともあると思うのですが。そんな本を買っていたら、出し入れしたリストを調べた時点で、子供がいたという仮説にすぐたどり着けたはず。百科事典や文学書から学んだのだろうか。それとも、所長がマメに無線で子育てについて教えていたのだろうか。子供のおしめとか服とか食べ物とかはどうしてたんだろう。考えれば考えるほど、気になることが出てきます。

ひとつ、どうしても納得いかなかったことがあります。犀川が 16の 4乗がすぐにわからなかったこと。萌絵に 256×256を計算させてましたが、そのときは、わかっててあえて計算させてるのかと思ってました。しかし、後のセリフから、本当にわからなくて計算させたみたいな感じで。あれだけコンピュータに詳しく、その場ですぐにスクリプトまで書けるような人が、65536という数字を知らないはずはないと思うのですが。

儀同世津子にはやられました。私は、犀川が学会でお世話になっている先生の娘さんとかかな、と予想していました。儀同さんの家に泊まるというのも、その先生に可愛がられてるからであって…世津子、なんて呼び捨てにしても驚かないからねっ(といいつつかなり動揺)…なんて、事件そっちのけになりそうなほど心配してたわけですが。い、妹かよっ!! それを知ったときの反応は、萌絵と同じでした(笑)。しかしねぇ、兄に対して「創平君」はないでしょうよ! もうっ! ……儀同さん、絶対に萌絵のことをからかってましたよねぇ。あえて誤解を招くようなことを言ったりして。